"生きる力を育む"

「さくら・さくらんぼ保育」実践園です

天草あゆみ保育園では、「さくら・さくらんぼ保育」を実践しています。太陽と水と土にまみれて、子どもが子どもらしくのびのびと育ち合い、一人一人が輝く保育を目指しています。季節に応じた自然体験、生活体験やリズム遊びなどを通して、「生きる力」の土台となる、しなやかでたくましい心と体を保護者と共に育んでいます。子どもを真ん中に、大人が手をとりあって、一歩一歩坂道を登るように歩み続けていきたいと「天草あゆみ保育園」と名付けています。
 
※「さくら・さくらんぼ保育」
埼玉県深谷市にある“ さくら・さくらんぼ・第二さくら保育園” の創設者で保育実践家・斎藤公子さんが築き上げた創造的で科学的な保育方法。「人間にとっての自然」という視点で、子どもの全面発達を目指した保育は、通称「さくら・さくらんぼ保育」と呼ばれています。

五感を育む

天草市街地、海、山が見渡せる小高い丘にあります。豊かな自然に囲まれた環境の中で、五感を育みます。
 
視覚
自然の中から、微細な色を感じとります。園庭や園舎には原色は使わず、天然色を使うように心がけています。
聴覚
風の音、虫の声、鳥のさえずりなどが聴こえてくる豊かな自然環境の中で聴覚が育ちます。ピアノの音に合わせた歌やリズム遊びで、聞く力を養います。
味覚
旬の素材を生かした薄味の和食に心がけています。園の周りには食べ物がいっぱい。園で植えている杏・びわ・ぐみ・柿・金柑などの果物や、散歩途中にみつけた野苺・椎の実、畑のキュウリ・トマトなどを自分で採って、その場で食べます。色々な種類の新鮮な味を覚えます。
嗅覚
野山での散歩は、嗅覚の発達を助けます。林の中の木や草の香り、道々で採った野草、野花、山菜などの香りは体に染み入っていきます。
触覚
泥んこ遊びでは皮膚で色々な感触を味わいます。虫や魚採り、お友達や保育者とのスキンシップ0~2歳頃までの「手づかみ食べ」なども触覚の発達を助けます。皮膚感覚を養うため、0歳児は布オムツ、歩けるようになる頃にはパンツで過ごします。身軽に動け、快・不快さを自分で感じることができます。

食べる力を育む

食べる力は、生きる力。給食には、園の畑で採れた無農薬野菜を使っています。子ども達は野菜の栽培を通して、育ち方や、収穫の喜び、採れたての野菜のおいしさを体感します。よく噛んで食べることは、顎の発達や消化を助け、脳に刺激を与えますので、噛む力を育むために、月齢に合わせて切り方を工夫し、昆布・干しイカ・いりこ・ごぼう・れんこんなどの食材もたくさん取り入れています。また、素材の旨味がわかるような調理方法と薄味に心がけ、白砂糖は使わず、消化の負担になる揚げ物は減らすようにしています。雑穀(麦・ごま・豆など)や海藻・じゃこなどが入った混ぜ御飯、煮物、手づくり味噌での味噌汁など、野菜たっぷりの和食が中心です。週に一度は、体の掃除ができる酵素玄米御飯です。肉や魚も入るバラエティ豊かな食卓を囲んで賑やかに楽しくいただきます。
 
メニュー例
  給食  酵素玄米御飯(小豆入り)
      筑前煮(鶏肉、こんにゃく・、里芋・ごぼう・人参・れんこん)
      あえもの(小松菜・もやし・人参)
      味噌汁(ナス・玉ねぎ・小ネギ)   
  おやつ ふかし芋・お好み焼き・ホットケーキ・焼おにぎり・旬の果物など
 
お弁当の日
  月に一度は、お家でつくったお弁当の日。その日は、海や山におでかけします。
(若宮海岸・茂木根海岸・広瀬公園・西の久保公園・鬼の城公園・十万山・福連木公園など) 
  子どもの体調や天候次第では、園で過ごすこともあります。
  お弁当のおかずやデザートを交換しあったりして賑わいます。

体を育む

雑巾がけ
毎日の雑巾がけで、背筋力、腕・脚・腰の力をつけるとともに、気持よく生活することを学びます。
リズムあそび
日が差し込む桧の床で、ピアノのリズムに合わせて楽しく全身を動かします。全身の血流を促進し、脳や体を刺激します。様々な運動を行なうことで、全身のバランスを整えて、運動機能の基礎を作り上げます。
ロールマット
ロールマットの上でマッサージをしながら子ども達の体の緊張を解きほぐし、全身の血流を促進させ、脳や身体を刺激して、しなやかな身体を作ります。
散歩
子どもの年齢にあわせて、山道、坂道、斜面の昇り降り、野山の散策を楽しみます。五感を磨きながら、体力をつけていきます。
仕事
机や椅子、ロールマットの出し入れや布団敷きなどの仕事を通して、身体の使い方を学び、筋力をつけると同時に、自分のことは自分でする生活習慣や協同作業の仕方を身につけていきます。
生活
ボタン・衣類・布団カバーの着脱、ふろしき包み、年長の雑巾縫いなど、生活の中から指先の使い方を学びます。持ち物の管理や整理整頓も、日々の積み重ねの中から身につけていきます。

心を育む

育ち合い
兄弟姉妹のような家庭的な集団の中で一緒に過ごします。上の子は下の子のお世話をしながら思いやりの心を育み、下の子は上の子に憧れ、模倣をします。意欲や挑戦する気持を大事にして、みんなで育ち合います。また、学童部のお兄さん、お姉さん達とのふれあいの中で刺激を受けながら、子ども達の世界も広がっていきます。
トラブル
ケンカやトラブルは、自我を出したり、痛みを知ったり、仲裁したり、仲直りしたりする人間関係を築くチャンスとして捉えています。
創造力
五感をフルに使った自然体験、泥んこ遊びやごっこ遊びなどで、“遊びきる”ことにより創造力が育まれていきます。
保育者も仲間
子ども達は、保育者のことを「先生」とは呼ばずに、「さとちゃん」「かねちゃん」などの愛称で呼びます。保育者も「共に育ち合う仲間」です。
命を感じる
園で飼っている鶏やうさぎ、子ども達が捕まえたメダカや虫などの生き物のお世話をします。昆虫の脱皮、カニやダンゴムシの出産に目を輝かせる子ども達。生と死をみつめる経験を通して、命の尊さを知り、命を育むことを学びます。
地域との交流
七草がゆ・おもちつきなどの行事には、近所のおばちゃん達もかけつけてくださって賑わいます。地域との繋がりは子ども達に安心感を与えます。

絵を描く

子ども達は、生成り色の大きな用紙に、マジックなどで描きたい時に、描きたいだけ絵を描きます。保育者は、絵に表現される線の動き・色使い・内容・絵の変化などを観察し、子どもの心の様子や育ちについての一つの目安として捉え、その子どもに合った保育を考えていきます。